本記事では、落語家が高座に上がる際に身につける道具と着物についてお伝えします。
落語家の2つ道具

落語家が高座に上がるときに持ってくる道具は、以下の2つです。
- 扇子
- 手拭い
扇子
東京の落語家が用いる扇子は、長さが七寸五分(約23cm)の無地のもの。
あおぐだけではなく、「箸・キセル・筆・刀・釣り竿」などに見立てて用い、柄で床を叩いて、戸を叩く音を表現することもあります。
ちなみに、落語業界では、扇子のことを「風」と呼びます。
手拭い
手拭いは、「紙入れ(財布)・タバコ入れ・手紙」などに見立てて、用います。
落語家は、二つ目に昇進した際に手拭いを作りますが、高座で自分のものを使うのは野暮とされ、仲間から貰ったのを使う落語家が多いようです。
ちなみに、落語業界では、手拭いのことを「まんだら」といいます。
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以上、落語家の道具として、「扇子」と「手拭い」を紹介しました。
関西の「上方落語」では、このほかに「小拍子」も使います。

この小拍子で見台を叩き、雰囲気を盛り上げたり、話にリズムをつけたりします。
落語家の着物

続いて、落語家の着物について、以下の5つの観点からお伝えします。
- 着物
- 羽織
- 帯
- 足袋
- 袴
着物
着物は、下記のように、季節によって着るものが異なります。
- 冬:袷(あわせ)
- 夏:単衣(ひとえ)
冬に着る「袷」は、裏地のある着物です。
これは風を通さないため、暑い夏には、裏地のない「単衣」がよく着られます。
落語家の着物の素材は基本的に、「正絹(しょうけん)」と呼ばれる、絹100パーセントのもの。
ただし、夏には麻の着物が着られたり、手入れの簡単な化学繊維のものが好まれたりと、今では落語家の好みによって、さまざまな着物が選ばれています。
羽織
落語家は高座に上がるとき、羽織を身に付けますが、これは二つ目になってから許されるもので、前座は着ることが許されません。
羽織は、まくらが終わって、噺の本題に入るタイミングで脱ぐことが多いです。
帯
男性用の着物の帯には、以下の2種類があります。
- 角帯(かくおび):礼装に合わせる固い帯。
- 兵児帯(へこおび):浴衣などのカジュアルな装いに合わせる柔らかい帯。
このうち、落語家が高座に上がる際は、「角帯」が身に付けられます。
また、結び方は、下記のような「男結び」にすることが多いです。
画像出典:「ゼロから分かる! 図解落語入門」稲田和浩,世界文化社,2018,p.101
この「男結び」は、結んだ先が上を向いていて、「縁起が良い」とされています。
足袋
落語家が高座に上がる際、足袋は「白足袋」が着用されます。
袴
袴は、落語家によって、着たり着なかったりして、明確なルールは定められていません。
武士が出てくる噺をする際には、演出上、身に付けられることが多いです。
ちなみに、昭和の名人、初代 林家三平は高座で暴れるので、下着が見えて見苦しくないよう、常に袴を履いていました。
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