落語コラム

【漱石・太宰も落語ファン】落語と文学の意外な関係!

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実は落語は、明治以降の文学に大きな影響を与えています。

本記事では、そんな落語と文学の深い関係をお伝えします。

言文一致運動と落語

明治の「以前」と「以後」の文学の大きな違いは、「文体」にあります。

江戸時代までの文学は、下記のような「文語」で書かれており、当時の人々が話していた「口語」とは、だいぶ言い回しが異なりました。

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人なり。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふるものは、日々旅にして、旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。

『おくのほそ道』松尾芭蕉

それが明治に入ると、「文語と口語を一致させよう!」という動きが出てきます。

これは「言文一致運動」と呼ばれ、その言文一致の文体で書かれた最初期の作品が、二葉亭四迷の『浮雲』でした。

四迷が『浮雲』を執筆する際に参考にしたのが、「三遊亭圓朝の速記本」です。

三遊亭圓朝は、幕末から明治にかけて活躍した落語家で、人気者だった彼の口演は、「速記本」として文字に起こされ、多くの人に読まれていました。

この速記本の文体は、口語に近かったこともあり、四迷はこれを参考にして、言文一致の文体を確立しています。

そして、四迷の『浮雲』の文体は、それ以降の文学に多大な影響を与えたことから、そのルーツである「落語」は、文学とは切っても切れない関係にあるといえます。

寄席に通っていた漱石

明治の文豪、夏目漱石は落語が大好きで、学生時代は、よく寄席に通っていたといいます。

その影響は、作品にも色濃く出ていて、例えば、初期の作品『坊っちゃん』は、チャキチャキの江戸っ子が主人公。

坊っちゃんの喧嘩っ早い性格は、まるで落語の登場人物を見ているようです。

また、『三四郎』では、主人公の三四郎が友人の与次郎に連れられて、寄席に行くシーンがあります。

そこで漱石は、与次郎に、以下のような落語論を語らせました。

小さんは天才である。あんな芸術家はめったに出るものじゃない。(中略)円遊もうまい。しかし小さんとは趣が違っている。円遊のふんした太鼓持は、太鼓持になった円遊だからおもしろいので、小さんのやる太鼓持は、小さんを離れた太鼓持だからおもしろい。円遊の演ずる人物から円遊を隠せば、人物がまるで消滅してしまう。小さんの演ずる人物から、いくら小さんを隠したって、人物は活発溌地に躍動するばかりだ。そこがえらい。

『三四郎』夏目漱石

ちなみに、ここで名前が挙げられている「小さん」は「三代目 柳家小さん」、「円遊」は「初代 三遊亭圓遊」のことです。

本で落語を楽しんだ太宰

昭和の文豪、太宰治も落語のファンでした。

ただし、彼の場合は「寄席に通う」よりも、主に「書籍」で楽しんでいたようです。

このことについて、太宰の親友 檀一雄は、『小説 太宰治』という作品で、下記のように書いています。

太宰の文章の根幹が、主として落語の転位法によって運営されている事を忘れてはならない。ただし落語は寄席にこる趣味というのでは決してなく、講談社の落語全集であれ、道端の十銭の落語本であれ、それを拾い買って来て、読み耽っていただけのことである。

『小説 太宰治』檀一雄

また、太宰が直接、落語について言及している作品としては、『革財布』というエッセイがあります。

この作品で太宰は、落語のネタ「芝浜」のあらすじに触れた上で、「私は、この落語が好きなのである」と語りました。

まとめ

以上、落語と文学の関係をお伝えしました。

本記事を読んで、落語に興味が沸いた方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。

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