落語「花見の仇討ち」のあらすじと豆知識を紹介!

「仇撃ちとは天晴れな了見。拙者も助太刀いたす!」
「花見の仇(あだ)討ち」のあらすじ

話は、金さんの家に、吉つぁん・義さん・六さんの3人がやってくるところから始まります。
おう、みんな揃ったか。
金さん。急に俺たちを呼び出して、どうしたんだ?
近頃は、陽気がいいからさ。
みんなで飛鳥山まで、花見に行くのはどうかと思ってね。
お、そりゃいいね。
それでね、ただ桜を見て帰ってくるのも面白くねえ。
そこで今回は、趣向を凝らそうと思うんだ。
趣向?
例えば、芝居をするのはどうだい?
面白そうじゃねえか!
でも、どんな筋書きにする?
それも、考えてあるんだ。
「仇討ち」って題なんだが、出てくるのは、仇を討つ「兄弟」の2人と、討たれる側の「浪人」、それに仲裁に入る「六十六部」だ。
66箇所の寺社を巡る、修行者のこと。
まず、浪人が最初に飛鳥山に行って、一番目立つ桜の木の下でタバコを吹かす。
そこへ、兄弟が通りかかって、火を借りるんだ。
ほう。
そのとき、ちらりと浪人の顔を見ると、なんと探していた「父の仇」。
兄弟は素早く仕込み杖を抜くと、浪人に斬りかかる。
杖に偽装した刀のこと。
盛り上がってきたね!
それに対して、浪人も刀を抜いて応戦。
そこからチャンバラが始まるんだ。
おお!
「仇討ちだ!」って大声を出してやってれば、花見客が野次馬に集まってくるだろう。
そこへ登場するのが、六十六部だ。
両者の間に飛び込んで仲裁し、背負っていたお櫃(ひつ)から、酒と肴と三味線を取り出す。
あとは、みんなでドンチャン騒ぎよ。
いいじゃねえか!
今まで本物の仇討ちだと思ってた周りの奴らは、芝居とわかったらひっくり返るぜ。
ああ、受けそうだ。
で、配役はどうするんだ?
仇の浪人が一番嫌な役になるから、筋書きを書いた俺がやろう。
で、兄弟の役は、面が似てる、吉つぁんと義さんにやってもらいたい。
ああ。
いいぜ。
じゃあ、俺が六部かい?
ああ。
六さんが六部の役なんて、ちょうどいいじゃねえか。
俺もチャンバラをやりてえよ!
そんなこと言わずに頼むよ。
次は、いい役をやらせてやるからさ。
……わかったよ。
よし。そしたら、さっそく稽古を始めるぞ!
というわけで、その日は4人でみっちり稽古をしました。
そして、それぞれが家に帰った後には、衣装や小道具の準備をします。

こうして迎えた、次の日の昼。
まずは、浪人役の金さんが飛鳥山に到着し、桜の木の下でタバコを吸い始めます。

そこへ、少し遅れてやってきた、兄弟役の吉つぁんと義さん。
失礼。
火をひとつお貸しくだせえ。
ああ。こちらに寄ってお付けなさい。
んん?お前は……!
我が父を討って、国元を立ち退きし大悪人!
いざ尋常に、勝負!
勝負!
仇呼ばわりとは、片腹痛い。
いざ、返り討ちにしてくれん!
親の仇ー!
仇ー!
こうして、3人のチャンバラが始まりました。
しかし、いつまで経っても、六十六部が仲裁に来ません。

というのも、時は遡って、その日の朝のこと。
六十六部の格好をして家を出た六さんは、道端で叔父さんにつかまってしまいました。
おう。六じゃねえか。
あ、叔父さん!
お前、六十六部の格好なんかして……。
まさか、親を捨てて旅に出る気か!
いや、違うん……
言い訳は聞かねえぞ!
ちょっと来い!
こうして、叔父さんの家に引っ張り込まれた六さん。
叔父さんはちっとも話を聞いてくれないので、持ってきた酒を飲まして、酔わせてしまうことにしました。

しかし、この叔父さんは、酒がめっぽう強い。
六さんは相手を酔わせる前に、自分がベロベロになってしまいます。
ついには縁側に横になって、昼寝を始めてしまいました。

そんなこととは露知らず、チャンバラを続けている兄弟と浪人。
いつしか、周りには野次馬の人だかりができていました。
そこへ一人の侍が通りかかります。
おい、この人垣はなんだ?
仇撃ちですって。
兄弟が「親の仇ー!」って叫んで、浪人に斬りかかったみたいです。
なに?仇撃ちとは天晴れな了見。
拙者も助太刀いたす!
ということで、侍は人だかりを分け入って、金さんたちの前に現れました。

ん?誰だ、この人?
さあ?
おい、そこの兄弟。
天運に叶い、仇に巡り逢うて、めでたいのう。
拙者が助太刀してやろう。
ええっ⁉︎
この人、本物の侍だよ!
うわっ!刀を抜いた!

逃げろー!
金さん・吉つぁん・義さんの3人は、大慌てで逃げ出します。
おーい!兄弟!
逃げるには及ばん!
勝負は五分と見た!
いや、五分と見えても……
「六部が見えない」
ー完ー
「花見の仇討ち」の豆知識
- 原話は、滝亭鯉丈作の『八笑人(はっしょうじん)』。このため、以前はこのネタも「八笑人」と呼ばれた。
- 別題は「花見の趣向」。
- 上方落語では、「桜の宮」という題で演じられる。
- 三代目 三遊亭金馬が得意とした。
- 花見の場所は、「飛鳥山」ではなく「上野」とする場合もある。
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- 関智一:スネ夫(ドラえもん)etc.
- 石田彰:渚カヲル(エヴァンゲリオン)etc.
- 山寺宏一:ジーニー(アラジン)etc.
- 林原めぐみ:灰原哀(名探偵コナン)etc.
- 山口勝平:ウソップ(ONE PIECE)etc.
そして、高座のシーンの演出は、まるで寄席の中にいるような気分になってきます。
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