現在、落語界には、下記の5つの団体があります。
- 落語協会
- 落語芸術協会
- 五代目 円楽一門会
- 落語立川流
- 上方落語協会
本記事では、それぞれの団体について、順にお伝えします。
落語協会
一般社団法人「落語協会」は、落語界最大の団体です。
所属している落語家は、下記の4つの寄席に出演しています。
この落語協会には、人間国宝となった、五代目 柳家小さん・十代目 柳家小三治をはじめ、数々の名人が所属してきました。
「古典の協会、新作の芸協」という言葉もあり、新作落語を手掛ける落語家も多い「落語芸術協会」に対して、「落語協会」は古典落語に重きを置く雰囲気があります。
落語芸術協会
公益社団法人「落語芸術協会」は、新作落語の名人を輩出してきた団体です。
桂歌丸・三遊亭小遊三・春風亭昇太など、「笑点」を始めとするテレビ番組によく出演している落語家も所属しています。
所属する落語家が出演している寄席は、下記の3つ。
鈴本演芸場とは、過去のいざこざから、現在は絶縁中です。
五代目 円楽一門会
「五代目 円楽一門会」が誕生したきっかけは、円楽の師匠である六代目 三遊亭圓生が一門を連れて、落語協会から脱退したことです。
その背景には、落語協会の会長だった五代目 柳家小さんと先代会長の圓生の、「真打昇進」に対する考え方の違いがありました。
圓生が亡くなると、一門の落語家のほとんどは落語協会に復帰しましたが、笑点の司会も務めた五代目 三遊亭円楽と弟子の楽太郎たちは、戻りませんでした。
その後、このグループは数回の名称変更を経て、今の「五代目 円楽一門会」に落ち着いています。
過去の経緯から、鈴本演芸場・新宿末廣亭・浅草演芸ホール・池袋演芸場での定期的な興行ができず、現在は両国や亀戸で落語会を開催しています。
落語立川流
1983年に落語協会が実施した「真打昇進試験」で、自身の弟子が落とされたことに腹を立てた立川談志が、弟子を引き連れて新しく立ち上げたのが「落語立川流」です。
茶道や華道と同じように、弟子から月謝をとる「家元制度」が特徴で、このことから立川談志は「家元」と呼ばれるようになりました。
立川流には、A・B・Cの3コースがあり、それぞれの特徴は下記のとおりです。
- Aコース:プロの落語家になるためのコース。過去には、志の輔・談春・志らくなどが所属していた。
- Bコース:談志が認めた有名人が落語を学ぶコース。ビートたけしや高田文夫らがいた。
- Cコース:一般人のためのコース。プロの落語家にはなれない。
なお、談志の死後は、前述の「家元」と「3コース」の制度は廃止されています。
円楽一門会と同様、鈴本演芸場・新宿末廣亭・浅草演芸ホール・池袋演芸場での定期的な興行はできないため、上野や日暮里などで独自の落語会を開催しています。
上方落語協会
公益社団法人「上方落語協会」は、関西の落語家たちの団体です。
人間国宝にもなった、三代目 桂米朝らが在籍していました。
落語の定席「天満天神繁盛亭」の運営もしています。
まとめ
本記事では、落語界にある5つの団体を紹介しました。
現在、プロとして活動している落語家のほとんどが、いずれかの団体に所属していますが、なかにはフリーの方もいます。
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