【三冊書評】私とは何か / ぼくのニセモノをつくるには / 遊☆戯☆王

教養

『私とは何か』平野啓一郎
『ぼくのニセモノをつくるには』ヨシタケシンスケ
『遊☆戯☆王』高橋和希

今回は、分かるようで分からない“自分”について考えるヒントとなる本を紹介します。

『私とは何か』では、「分人」という概念が説かれています。例えば、家族と接する時と友達と接する時では、自分の“キャラ”は少し違うと思いますが、このように、対人関係ごとに異なるキャラのことを、本書では「分人」と名付けています。そして、筆者はその分人の集合体こそが「自分」だと主張します。「本当の自分って何だろう」と悩む方にオススメの一冊です。

『ぼくのニセモノをつくるには』は、“ぼく”がロボットを買ってきて、自分のニセモノとして仕込むというお話。その過程で自分はどういう人間なのかを様々な方面から説明していくのですが、なんと上で紹介した「分人」と似た考え方も出てきたりします。自分を見失ってしまったときに、開いて欲しい絵本です。

分人とは少し違いますが、“もう一人の自分”という別人格を手に入れるところから話が始まるのが、『遊戯王』です。冴えないいじめられっ子だった武藤遊戯と、強気でゲームの達人な“もう一人の僕”の対比が物語の軸になっています。ジャンプ連載中は、遊戯王カードが大流行しましたね。僕もたくさん持ってたなぁ。

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