太宰治

傴僂|中学生の太宰治が『侏儒楽』に続けて書いたアフォリズム

『傴僂(せむし)』は、太宰治が中学生のときに作った、アフォリズム集です。

本記事では、この作品の概要や気になるフレーズを見ていきます。

「傴僂」という言葉は、現代では差別用語と認識されていますが、作品の内容を正確に伝えるため、本記事では原題どおり表記します。

『傴僂』の概要

傴僂』は太宰治が中学4年生(数え年で18歳)のときに、「蜃気楼」という同人雑誌の6月号で発表した作品です。

▼「蜃気楼」6月号

「蜃気楼」6月号
出典:『新潮日本文学アルバム 19 太宰治』太宰治,新潮社,1983,p.51

掲載されたときの署名は、「X・Y・Z」でした。

『傴僂』は、道徳的な格言や教訓などを端的に書き表した「アフォリズム」という形式で書かれています。

「蜃気楼」の5月号までは、3号連続で『侏儒楽』というアフォリズムの作品が掲載されていましたが、この号からはタイトルを『傴僂』に変更しています。

『傴僂』の気になるフレーズ

◎俺は顔もそうだが殊にスタイルについては殆ど自信がない。
◎俺はヒドイ猫背だ。
◎直すなら今のうちだと友達が時々注意して呉れる。
◎自分も努めて、姿勢を正しく、保とうとは心掛けてるんだが……
◎サッパリ直らない。ままよ、直らぬものを一生懸命になってやったって何になる。
◎俺は猫背で生れたんだ。
◎そして猫背のままで死ぬかも知れない。
◎友『君のスタイルは活俳に適してるヨ』
 俺『馬鹿ッ』
 友『何さ「ノートルダムの傴僂男」をやるに適してるというんだヨ』
 俺『エヒヒヒヒ…………』
◎俺の其の時のエヒヒヒヒヒヒは泣笑いであったかも知れない。

◎悪党は、いつの世にも一時は(ヒョットしたら永久に)勝利者となる。
 弱い者よ。悪党に常に悩まされて居る弱虫よ。悪党に勝つ最も近い道を教えてやろう。その悪党以上の悪党になれ。復讐も何も皆思いのままに成すことが出来るだろう。

◎オレが堕落したのは確かだ。
◎その証拠はオレは涙を流せなくなったことだ。

『傴僂』を読むには

『傴僂』は、「決定版 太宰治全集」の「1巻 初期作品」に収録されています。

しかし、この書籍は出版元で品切れ(絶版?)になっており、古本の値段も高めです。

このため、『傴僂』だけを読みたいのであれば、「決定版 太宰治全集」を所蔵している図書館で閲覧することをおすすめします。

図書館で定められているルール内であれば、必要な箇所をコピーすることも可能です。

まとめ

本記事では、『傴僂』の概要と気になるフレーズを紹介しました。

なお、記事を執筆するにあたっては、以下の書籍を参考にしています。

それぞれの書籍の概要については下記の記事にまとめていますので、ご興味のある方は、併せてご覧ください。

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